美しい日本の風景〜日本三景 松島編〜
狭い国土ながらも自然に恵まれ、美しい風景を数多く有する日本の中でも、絶景スポットといえば日本三景を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
宮城県の松島、京都府の天橋立、そして広島県の宮島の三箇所を総称して日本三景と呼びますが、いずれも古くから文学作品や絵画の題材として用いられ、今も観光地として人気を保っており、昔から多くの人々を魅了してきました。
さて、今回は松島、天橋立、宮島それぞれについて、簡単な情報と筆者が感じた魅力を書いていきたいと思います。このほかの鉄道関連の記事と異なり情報というよりも主観になってしまいますが、何よりも多くの方に日本三景の魅力が伝わればと思っております。
まずは、北から、松島について見ていきたいと思います!
日本三景とは?
小学校か中学校の地理で習って以来、日本三景といえば何も考えなくとも松島と天橋立と宮島の三つが思い浮かんでしまいますし、そういう方も多いのではないのでしょうか。
さて、いったい誰が決めたのかというと江戸時代の儒学者、林鵞峰(読み:はやしがほう)という人が『日本国事跡考』という著書の中で記したことがはじまりとされ、林鵞峰の太陽暦における誕生日である7月21日は2006年以来日本三景の日とされているのだそうです。
日本三景はどこも海に近いという点が共通しており、複雑な地形が空や海の青と、陸地の緑の美しいコントラストを織りなしており、大陸的な雄大さとは異なった独特の繊細さをもつ日本らしい風景を味わうことができます。
ちなみに、北海道の大沼、静岡県の三保の松原、大分県の耶馬渓が日本新三景とされています。1916年に制定されているということなのでこちらも意外と歴史があるようですが、どうやら知名度は今も本家日本三景が勝っているようです。当然、日本新三景も非常に景色がいいことには間違いないのですが。。。
三という数字は多すぎず少なすぎず人々がなじみやすいからなのか、日本新三景のほかにも日本三大夜景、日本三大車窓など、日本三〇〇がたくさん作られ人々から愛されているようですが、そちらはまた別の機会に取り上げるとして、今回は古くから人々をひきつけてやまない日本三景を、北から順に眺めていき、今回は松島を取り上げていきたいと思います。
松島
おくの細道で有名な松尾芭蕉があまりの絶景に言葉が出てこず『松島や ああ松島や 松島や』と詠んだのはどうやら作り話らしいですが、あまりの絶景に言葉を失い、その場で句を詠めなかったのは本当のことらしいです。
そのほかにも数多くの文学作品で取り上げられ、東北を代表する観光地の一つともいえる松島は、休日は多くの観光客でにぎわっています。
アクセス
*鉄道の場合
最寄り駅:松島海岸駅
路線:JR仙石線
本数:30分に1本程度
所要時間:40分程度
*車の場合
*そのほか
仙台空港から直行バスあり、JR仙石線の途中駅の本塩釜駅から船でアクセスすることも可能。
松島海岸駅からは瑞巌寺や福浦島、観光桟橋のいずれも徒歩圏内で非常に便利で、周辺にはお土産屋や飲食店も多くあります。
なお、東北本線にも松島駅がありますがこちらは中心部から徒歩20分ほどの距離にあるため観光には適していません。
車の場合、休日の日中は渋滞し、駐車場も混雑するうえ料金が高くなってしまいますが、奥松島などにもアクセスができるのは大きなメリットです。また、松島海岸駅から徒歩20分ほど坂道を登れば西行戻しの松公園という、高台から松島を見下ろせる筆者おすすめのスポットがありますが、少々急な道のため車があるほうがいいかもしれません。
電車で行くべきか、車で行くべきかという点に関しては、松島海岸駅周辺のみでも十分楽しめるため、その場合は電車で、駅周辺を散策するよりも奥松島などにも足を伸ばしたい場合は車で行くのがいいと思います。
筆者の好きな松島
個人的にはじめて松島を訪れる方におすすめのコースは、JR仙石線で本塩釜駅で下車し、海鮮料理を食べてから遊覧船で松島海岸まで移動し夕方まで松島で過ごすというパターンです。
朝早くから行動できる場合はこの逆のルートをたどり、少し遅めの昼食を塩釜で取るというパターンもありです。
人の住めないような小さな島が無数にある景色が美しい松島ですが、その間近を縫うように進んでいく遊覧船はなかなか楽しいもので1時間の道中はあっという間に過ぎます。
ちなみに、生態系への影響やごみの問題などの理由からカモメへの餌付けがNGになってしまったのでおかしは自分たちが食べる分だけ買うことにしましょう。
お昼ご飯に関しては松島は、観光地ということもあり混雑し、かつ割高になってしまうので、塩釜のほうがより良いのではないかと思っております。塩釜での食事は高級寿司もいくつか名店がありますが、港の海鮮丼でもお手頃な料金で東北のおいしい魚介類を楽しめます。
ただ、特に冬のシーズンの時期は牡蠣がおいしく食べられますが、こちらは雰囲気なども考えると松島で食べるほうがいいかもしれません。(実は筆者は、牡蠣が苦手です。天橋立も宮島も牡蠣が有名ですが、残念ながら筆者はその恩恵を受けることはできませんでした。。。)
松島は、瑞巌寺や宝物館、福浦島など徒歩で回れる観光スポットが多くありますし、どこから眺めてもきれいな景色が広がっているので飽きることはないかと思います。また、中心部はお店も多く一休みできるところもそろっているので充実した観光をすることができます。
いずれにしても上記のコースで一日楽しむことはできます。なお、東京からであれば日帰りもできますが、せっかくなので松島のほか、秋保温泉や鳴子温泉など近隣の観光地で宿泊する一泊二日のコースのほうがゆっくりと楽しむことができると思います。
*遊覧船からの周囲の島々の眺め
ちなみに、筆者が個人的に好きなのは、夜明けの松島です。
こちらは、仙台近辺に在住の方か、松島に宿をとって一泊された方でないご覧になることは難しいかもしれませんが、初日の出など特別な時以外は日中と違って人も少なく幻想的な朝焼けを眺めることができます。
ちなみに、車がある方はその足で塩釜の朝市に行くといいですよ。筆者は早起きは苦手ですが、早起きをしないとみることができないとっておきの景色のためなら頑張れます。
*夜明けの松島1
*夜明けの松島2
夜明けの松島のほかにも筆者が好きなのは、高台から見下ろす松島です。松島海岸駅から徒歩でもなんとかたどり着ける西行戻しの松公園もいいですが、松島からさらに車で30分ほど走らせたところにある、奥松島から眺める景色も美しいです。
この付近は東日本大震災による津波の被害の大きい地域ですが、その中でもいくつかの旅館が懸命に営業を行っております。
*奥松島大高森からの眺め
松島のまとめ
以上、松島について見てきましたがまとめると以下のようなところでしょうか。
- 仙台からのアクセスは比較的良好で一日楽しめる
- 遊覧船を活用して海鮮料理のおいしい塩釜にも訪れたい!
- 夜明けの松島はまさに絶景
- 高台から見下ろす松島もまさに絶景
- 周辺の秋保温泉や鳴子温泉などの観光地にもぜひ!
松島の魅力はこれだけはないと思います。実際に多くの方に訪れていただき、松島が多くの方から愛されれば何よりだと思っています。最後までお読みいただき、ありがとうございました。